BW33の排水量/長さ比

BW33の排水量/長さ比は271.2
正確には積荷、人間の重量を足した「完成重量」を基に計算するのでもう少し大きな値になる。

排水量/長さ比=D/L比=271.3

■排水量/長さ比とは
大阪大学教授で造船工学が専門の老練なヨットマン、野本謙作氏の「スピンナヤーン」シルバーエイジ一人乗りのすすめから抜粋

シルバーエイジ一人乗りにふさわしいヨットとはどんな船になるだろうか。
どのくらいの大きさが適当か?シルバー世代が一人で動かせるヨットの大きさは?色々意見があるが、私は全長9メートルから10メートル、いくらか重い目のヨットが良いと思う。ヨットがその長さのわりに重いか軽いかを示す数値に「排水量/長さ比」というのがある。
水線長はきっすいで計った船の長さで、前端はステム(船首材)が水面を切るところ、後端はトランサムの下あたりの外板が水面にタッチするところと考えて良い。メートルで計った水線長に3.28を掛けてフィートにし、その3乗で船の全重量(排水量)を割ると排水量と長さの比が出る。
350以上を重排水量、300前後をやや重排水量、250を中排水量、200がやや中排水量となる。中略
軽排水量のヨットは船体のきっすいが浅く、いわば皿を水に浮かべたような形になる。表面積も小さく、走る時に押しのける水も少なくてすむから抵抗が小さい。また少し傾いても大きな形状復元力が働いて腰が強い。だから大きい帆を張ることができて、小さき抵抗と共に早いスピードを約束する。その弱点は(傾きはじめた)初期の腰の強さと軽いボディーのために波の中の動きが跳ね回るように激しく、いわゆるのり前が悪い。また大きな角度まで傾くと急に腰が弱くなり転覆の恐れある。中略

わが国でもシルバー世代のヨットマンが増えて来たのだから、もう少し重くて乗り前の良いヨットがあっても損はしないと思うのだが、なかなか現れない。一昔前のブルーウォーター・シリーズなどは航海時の排水量長さ比を280ぐらいに仕立てることが出来たと思うが、最近の量産艇はみなカヌーボディ(主船体)の浅い、基本的に軽排水量型なので、ここで言っているようなシルバー一人乗り向きの船に仕立てられない。・・・・・・・・・・・・・・・後略

と野本謙作氏がブルーウォーターの希少価値と安全性、優秀さに触れている。